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2024.07.20(土)

上場を目指すスタートアップの税理士の選び方

上場を目指すスタートアップにとって、税理士選びは大切になってきます。上場準備に関して経験豊富な税理士を選ぶと、会計・税務に関する相談はもちろんのこと、上場準備の過程で起きる様々な課題に対して適切にアドバイスを受けることができるからです。では、実際にはどのようなポイントで税理士選びを行えばよいのでしょうか? 

1. 上場準備の実績

  • IPOに成功した経験がある税理士を選びましょう。過去に企業の上場準備をサポートした実績がある税理士は、必要なプロセスや規制に精通しており、税務リスクを事前に予測して対応することができます。
  • また、起業当初から上場を目指すスタートアップとしては、具体的に証券会社や監査法人の選定をどうするべきか、何から手をつけて良いか、開示書類についてはどうするべきか、ということを相談出来る税理士が望ましいと思います。

2. ビジネスの知識と理解

  • 自社の業界やビジネスモデルを深く理解している税理士を選ぶことが重要です。業界特有の会計・税務の課題に対応できる専門知識を持つ税理士は、より的確なアドバイスを提供してくれます。
  • 例えば、IT系のスタートアップであれば、実際のIT企業で経営企画室、事業部、経理部で事業に関わった経験のある税理士がいいでしょう。IT系のクライアントが多い税理士でも良いですが、実際に1社でも会社の中で事業に関わった税理士の方が、当事者として実務に関わっているので、格段により良いアドバイスが得られると思います。

3. コーポレートファイナンスの知見

  • スタートアップは、成長の過程で、優先株式を活用した資金調達、新株予約権の発行を行うことが多いため、資本政策について精通しており、新株予約権の設計・評価、株式のバリュエーション実務に詳しい税理士を選ぶと良いでしょう。
  • VCや事業会社で投資経験のある税理士、あるいは事業会社のCFOとしてVCから資金調達をした経験のある税理士を選ぶと良いでしょう。資金調達や資本政策については、税務とは異なるコーポレートファイナンス分野の知識が必要で、かつ、経験がとても重要なので、知識や経験があるかきっちり判断しましょう。

これらの3つのポイントを踏まえ、複数の会計事務所と面談を行い、自社との相性も考えながら、最も適したパートナーを見つけてください。上場準備の道のりは平坦なものではありませんが、パートナーである税理士のサポートがあれば、そのプロセスはよりスムーズなものとなります。